北アルプスへ

                        大キレットコース

日時           1995年8月4日〜8月11日
コース          太郎平〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜双六岳〜西鎌尾根〜
              槍ヶ岳〜南岳〜大キレット〜北穂岳〜涸沢カール〜上高地


第1日目(8月4日)    仕事を終え上野より夜行寝台北陸で富山へ
第2日め(8月5日)    晴れ 太郎平小屋まで
                富山から有峰口へ 7:30のバスに乗る。少し空いていてよかった。
                折立で食事をし、準備を整え8:30出発
                太郎平の登りにかかる。
                ぶなの樹林と熊笹の眺望の利かない急な道を黙々と歩く。
                曇ったり晴れたりの天気でかなり疲れる。
                10:00三角点に着くと視界も開け、体も慣れてくる。
                昨年に続き2回目の道なので余裕も感じられる。
                ようやく薬師岳が見えてきた、どこから見ても大きく穏やかで美しい山である。
                休憩。三角点を過ぎると広々した草原と地塘が広がり太郎平に出る。
                高山の花をすそ模様に薬師岳が一段と美しい。
                午後1:00太郎平小屋着。小屋前のベンチでビールを片手に
                薬師を初め黒部五郎や裏銀座の山々を堪能する。
                下界から離れ最高のひと時である。
第3日目(8月6日)    晴れ 黒部五郎小屋まで
                6:15出発。杜や穂横からだらだら登り始める。
                北ノ俣岳まで大した登りではないがだらdら続き疲れる。ようやく稜線に出る。
                ロケーション最高!!黒部五郎を眼前に雪田あり高山植物ありの中を歩くのは
                疲れを忘れさせてくれる。12:10黒部五郎岳の肩に着く。
                山頂は目前だが、登りがきつく、一歩一歩踏みしめながらやっと着く。
                先着者多数。昼食,記念撮影を済ませ眺望を満喫しカールの巻き道を
                黒部五郎小屋に向かう。 山頂から見えていた小屋の三角屋根も見えなくなり、
                急な下りをひたすら下る。
                ガスが立ちこめ風も出てきて寒くなる。2:45小屋に着き宿泊手続き。
                混んでいたが、三角屋根の下だが割合ゆったいしたスペースが当てられ助かる。
                新潟からの女性3人のパーテーと隣同士になり、夕食まで山談議に花が咲く。
第4日目(8月7日)    ガス 双六小屋まで
                今日は双六小屋までのショートコースなので小屋の周りを一回りしたり
                花を眺めたり、ゆっくり出発。キヌガサ草満開。ガスに濡れ一段ときれいである。
                その中を登り、三俣蓮華岳に着く。濃いガスで視界なし。
                周囲の山々を想像するのみ。稜線を取り双六岳に向かう。同じくガス。
                何回来ても、三俣と双六はガスの中。とても残念。
                ぶらぶら野球場に下る。数千年前この高所が海底だったとは信じられない。
                少しガスが晴れてきたので、槍が姿を現すかと期待して1時間休憩。
                一向に姿を現さない。重いカメラ一式背負ってきたのに・・・・・
                急な下りを一気に双六小屋に下りる。12:00宿泊手続き。
                昼食をとり明日のキレット超えに備え休養。
第5日目(8月8日)    曇後晴 南岳小屋まで
                出発6:00 西鎌尾根を登るので我々としては早立ち。
                樅沢まで来ると天気もよくなり笠が岳や鷲羽が大きく見える、
                鷲羽の大きさと羽を広げた形のきれいさに改めて感激。
                アップダウンを繰り返し左手に硫黄岳の赤茶の岩肌を見ながら
                千丈沢乗越に着く。
                ハイ松の中を暫く行くとようやく子槍が見えてくる。
                後一息と言うのにかなりみちも険しくなり、
                数歩歩いては息を整える始末である。
                這うようにして11:00槍ヶ岳山荘着。ラーメンの昼食でゆっくり休憩。
                登頂せず南岳を目指す。西鎌の登りでかなり疲れていたので
                大喰から中岳の登りが辛いが途中雷鳥にも会え、
                穂高は勿論裏銀座の山々も見渡せ楽しく歩く。
                中岳の鎖場を越えると南岳山頂がめに入ってくる。元気つく。
                南岳まで来ると下に小屋が見え足も速くなる。2:50到着。
                荷物の整理をし獅子鼻までキレットの様子を見に行くが ガスで何も見えず。
第6日目(8月9日)    ガス後晴 徳沢まで
                若い人たちはキレットを越え一気に下山してしまう人も多いので朝は早い。
                4:00頃から出て行く。
                6:00出発 ガスの中大キレットに挑む。すでにほとんどの人が出てしまったので、
                渋滞もなく急なルンゼの下りもマイペースで歩ける。
                落石に注意し何回か梯子を下りキレットのそこに着く。ほっと一息。
                そこから険しいアップダウンが続く。
                登りはいいのだが下りで安定した足場を探すのに苦労する。
                A沢のコルで一休み。
                ガスもすっかり取れ快晴。後ろには大きな南岳がどーんと控え
                上高地側は黄色やピンクの花々が谷底まで満開。
                一方、飛騨側は岩稜の谷底の深さに息を呑む。
                鎖に助けられ長谷川ピークも通過できほぼ難所の通過が終わる。
                ようやく北穂岳の登りに取り付く。
                上から見ていたよりは楽であっという間に北穂小屋のテラスに着く。
                10:30.まだ時間が早いのでテーブルも空いていた。
                歩いてきた道を振り返ったり雲の流れる滝谷を眺めながら、
                おいしいコーヒーを頂いていると、
                A沢のコルで一緒に休んだ大学生グループが上がってきて
                すでにお茶をしている私たちを見てびっくりする。
                今日は涸沢泊の予定だったが、天気もよいし時間も早いので
                行けるとこまで下りる事とし出発する。
                下りは苦手だが時間は早い。涸沢小屋まで一気に下りる。
                鎖場の下りは少々緊張した。軽く昼食。1:30着
                カールに下り横尾を目指す。3:30横尾山荘着。
                疲れてはいたがもう少し行けそうなので徳沢まで頑張る。
                5:00氷壁の宿徳沢園にぎりぎりセーフ。入浴時間にも間に合い
                汗と疲れを取ることが出来た。
                今日は11時間の行程だった。
                キレットはゆっくり楽しみながら歩けたし、
                タイムを計算しながら11時間歩けたと言うことに大満足!!
第7日目(8月10日)   ゆっくり8:00出発。上高地までと思うと気持ちも楽である。体中痛い。
                歩き始めると間もなく雨が降り始める。
                少し遠回りして帝国ホテルでサンドイッチとおいしいコーヒーでランチ。
                下界におりた事を実感する。
                雨は本降りとなる。松本に下り何時ものように浅間温泉に泊まり12日無事帰宅。
                念願の大キレットが晴天に恵まれ無事越えられた事に大満足の山行だった。
                感謝感謝!!